ブラッシュアップ＆フォローアップセミナー　
開催レポート

私たち歯科医療従事者にとって細菌の理解がいかに必要なものであるか。畑先生らしいユーモアあふれるトークも交え、本講演の趣旨について紹介しました。

奥田先生には長く細菌について研究されてきたそのご経験から、口腔細菌とはどのようなものか、口腔そして全身の健康にどのように関わっているのか、そして我々はそれをどう捉え、どのように対応していったら良いかについてご講演をいただきました。深い知識に裏付けられた内容と情熱的な語り口は受講者を夢中にさせる素晴らしいものでした。

富士通Japanの今出様より、社会に予防歯科を浸透させる取り組みについてご報告がありました。クラウドシステムはさらに新しい機能を実装し、富士通クリニックや社会連携などますますの進展を感じさせるものでした。

午後は参加者がそれぞれ割り振られたグループとなり、与えられたテーマについてグループワークを行いました。初対面同士で当初は緊張が見られましたが、多くの医院が抱える課題についてディスカッションをする内に徐々に打ち解け、最後の発表の際には各グループが一体感を感じさせるものとなりました。

野尻先生からは酒田交流会での経験を踏まえ、その後の自身の臨床の変化や歯科医師の仲間との活動、社会貢献のための取り組みについてご発表いただきました。勤務医という立場の中でMTMをきちんと行おうとするその姿勢は素晴らしく、医院の中に少しずつ変化が起きているというご報告は嬉しくなるものでした。

川村先生からはオーラルフィジシャン育成セミナーを受講した後に、開業し、その後どのように自院でMTMを実践されてきたかについて、症例報告と詳細な統計データを元にご発表いただきました。患者が増えてきて医院の拡張が難しいという、多くのOPが抱える問題についても共有していただき、「自分ならどうするか」と皆が考えるきっかけとなりました。

大森先生からは症例報告と共に、データをまとめる際に見えてきた自院の問題点についてご発表いただきました。正確な資料採取をいかに漏れなく行うか、蓄積されたデータをどのように活かしていくのか、まさにOPが行う診療の価値を高めるための考察であり、多くの医院が参考となるものでした。

五條先生からは４患者の詳細な症例報告とスタッフがこの医療についてどのように感じているかについてご発表いただきました。MTMが成果を出すためには医院スタッフが同じ目標に向かってそれぞれの役割を果たす必要があり、社会情勢を踏まえた上でリーダーが果たすべき役割についての考察は大変興味深いものでした。

石川先生からは医院の患者構成比から生じるMTM定着における課題についてご発表がありました。医院の環境はそれぞれであり、外的要因からの影響をいかに克服するかは難しい問題です。しかし、症例報告での一人ひとりに対する丁寧な診療を見ると、そのような困難も医院として乗り越えられると確信させるものでした。

多くの質疑応答も建設的で実りあるものとなり、活況の中セミナーは終了しました。最後に畑先生から総括があり、多くの医院で課題があるが、それを皆で共有し共に乗り越えていくことで日本の歯科医療を良くしていくことができるとのお言葉がありました。参加医院が課題を乗り越え、より良い医療を提供できるよう成長していくことを望みます。